がん保険の支払いを巡る裁定事案(和解成立済み)。
生命保険協会が取りまとめた、令和7年1~3月の裁定概要集(PDF)にがん保険金(医療保険)の支払いを巡る裁定事案がありました。
事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。
<事案の概要>
担当者の誤説明を理由に、がん保険金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和5年12月に、早期S状結腸がんと診断確定されたため、令和2年5月に契約した医療保険に基づき保険金を請求したところ、上皮内新生物保険金が支払われたが、がん保険金の支払い要件には該当しないとして、がん保険金は支払われなかった。しかし、請求前に、担当者に対して保険金がいくらもらえるか聞いたところ、がん保険金と上皮内新生物保険金の合計額がもらえると説明されたが、実際には上皮内新生物保険金しか支払われなかったので、がん保険金を支払ってほしい。
この事案はすでに和解が成立しています。
保険金の支払い査定の原則は「約款に照らし合わせて支払うべきものは速やかに支払う」というものです。今回の事案は請求事案「早期S状結腸がん(TNM分類:Tis・Taにチェックあり)」という腫瘍が大腸の粘膜内にとどまっており、完全に切除すれば再発・転移の恐れがほぼないものですので、上皮内新生物に分類されます。
そのため、上皮内新生物保険金の支払い対象となり、がん保険金の支払い対象とはなりません。保険会社の主張によると、担当者は誤った説明をした1週間後に訂正をしていますが、支払は最も大事なことですので正確に丁寧に伝えてほしいものです。
【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和7年1~3月裁定概要集・P53~54より転載)。
[事案2024-84]がん保険金支払請求
・令和7年3月24日 和解成立
<事案の概要>
担当者の誤説明を理由に、がん保険金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和5年12月に、早期S状結腸がんと診断確定されたため、令和2年5月に契約した医療保険に基づき保険金を請求したところ、上皮内新生物保険金が支払われたが、がん保険金の支払い要件には該当しないとして、がん保険金は支払われなかった。しかし、請求前に、担当者に対して保険金がいくらもらえるか聞いたところ、がん保険金と上皮内新生物保険金の合計額がもらえると説明されたが、実際には上皮内新生物保険金しか支払われなかったので、がん保険金を支払ってほしい。
<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。
(1)がん保険金の支払い要件としては、「悪性新生物」の診断確定が必要となるが、診断書では、「悪性(上皮内がん・Tis・Ta)」の欄にチェックがなされており、上皮内がんは約款所定の悪性新生物には該当しない。
(2)担当者が誤説明をしたことは事実であるが、誤説明により契約内容が修正されることはない。
(3)担当者が誤説明と、申立人ががん保険金を受け取ることはできないこととは因果関係がない。また、担当者は、誤説明の1週間後には訂正しており、支払への期待はごくわずかで、申立人に損害は生じていない。
<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、本件の経緯等を確認するため、申立人および担当者に対して事情聴取を行った。
2.裁定結果
上記手続の結果、申立人の請求は認められないが、以下等の理由により、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、和解案を双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、手続を終了した。
(1)申立人は、申立書および事情聴取において、「がんと診断されたがいくらもらえるのか」と質問し、保険会社から、「がんだからがん保険金をもらえる」と説明されたと述べている一方、担当者は、「がんであればがん保険金が支払われる」と説明したと主張しており、両者の主張内容は若干ニュアンスが異なっている。仮に担当者の主張するような内容であったとしても、上皮内癌の場合には上皮内新生物保険金のみの支払いとなることについて何ら留保するもしないまま回答していることは、丁寧さを欠き誤解を招く説明となっているものといえる。
(2)担当者は、申立人から「悪性(上皮内がん・Tis・Ta)」にチェックが入っており、上皮内がんであることが一見してわかる診断書を見せられたうえで、いくら出るのかという質問を受け、がん保険金と上皮内新生物保険の合計額が支払われるという誤説明をしたことを保険会社も認めている。
以上です。
↑深夜のクヌギで♀を守るノコギリクワガタ大歯形の♂(6月撮影)。
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事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。
<事案の概要>
担当者の誤説明を理由に、がん保険金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和5年12月に、早期S状結腸がんと診断確定されたため、令和2年5月に契約した医療保険に基づき保険金を請求したところ、上皮内新生物保険金が支払われたが、がん保険金の支払い要件には該当しないとして、がん保険金は支払われなかった。しかし、請求前に、担当者に対して保険金がいくらもらえるか聞いたところ、がん保険金と上皮内新生物保険金の合計額がもらえると説明されたが、実際には上皮内新生物保険金しか支払われなかったので、がん保険金を支払ってほしい。
この事案はすでに和解が成立しています。
保険金の支払い査定の原則は「約款に照らし合わせて支払うべきものは速やかに支払う」というものです。今回の事案は請求事案「早期S状結腸がん(TNM分類:Tis・Taにチェックあり)」という腫瘍が大腸の粘膜内にとどまっており、完全に切除すれば再発・転移の恐れがほぼないものですので、上皮内新生物に分類されます。
そのため、上皮内新生物保険金の支払い対象となり、がん保険金の支払い対象とはなりません。保険会社の主張によると、担当者は誤った説明をした1週間後に訂正をしていますが、支払は最も大事なことですので正確に丁寧に伝えてほしいものです。
【事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和7年1~3月裁定概要集・P53~54より転載)。
[事案2024-84]がん保険金支払請求
・令和7年3月24日 和解成立
<事案の概要>
担当者の誤説明を理由に、がん保険金の支払いを求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和5年12月に、早期S状結腸がんと診断確定されたため、令和2年5月に契約した医療保険に基づき保険金を請求したところ、上皮内新生物保険金が支払われたが、がん保険金の支払い要件には該当しないとして、がん保険金は支払われなかった。しかし、請求前に、担当者に対して保険金がいくらもらえるか聞いたところ、がん保険金と上皮内新生物保険金の合計額がもらえると説明されたが、実際には上皮内新生物保険金しか支払われなかったので、がん保険金を支払ってほしい。
<保険会社の主張>
以下の理由により、申立人の請求に応じることはできない。
(1)がん保険金の支払い要件としては、「悪性新生物」の診断確定が必要となるが、診断書では、「悪性(上皮内がん・Tis・Ta)」の欄にチェックがなされており、上皮内がんは約款所定の悪性新生物には該当しない。
(2)担当者が誤説明をしたことは事実であるが、誤説明により契約内容が修正されることはない。
(3)担当者が誤説明と、申立人ががん保険金を受け取ることはできないこととは因果関係がない。また、担当者は、誤説明の1週間後には訂正しており、支払への期待はごくわずかで、申立人に損害は生じていない。
<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、本件の経緯等を確認するため、申立人および担当者に対して事情聴取を行った。
2.裁定結果
上記手続の結果、申立人の請求は認められないが、以下等の理由により、本件は和解により解決を図るのが相当であると判断し、和解案を双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、手続を終了した。
(1)申立人は、申立書および事情聴取において、「がんと診断されたがいくらもらえるのか」と質問し、保険会社から、「がんだからがん保険金をもらえる」と説明されたと述べている一方、担当者は、「がんであればがん保険金が支払われる」と説明したと主張しており、両者の主張内容は若干ニュアンスが異なっている。仮に担当者の主張するような内容であったとしても、上皮内癌の場合には上皮内新生物保険金のみの支払いとなることについて何ら留保するもしないまま回答していることは、丁寧さを欠き誤解を招く説明となっているものといえる。
(2)担当者は、申立人から「悪性(上皮内がん・Tis・Ta)」にチェックが入っており、上皮内がんであることが一見してわかる診断書を見せられたうえで、いくら出るのかという質問を受け、がん保険金と上皮内新生物保険の合計額が支払われるという誤説明をしたことを保険会社も認めている。
以上です。
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