がん患者の家族として気が付いた、改めて知った大事なこと。
今回は、去勢抵抗性前立腺癌患者（父親）の家族として、気が付いた、改めて知った大事なことについて書いてまいります。
〇現在の病状と治療に至るまでの経緯
まず、父の現在の病状と治療に至るまでの経緯です。
①前立腺癌の診断確定時期：2023年6月初め。
②診断確定までの経緯：2022年末に前立腺肥大の症状が悪化し、排尿がうまくいかずパット付き下着では尿失禁に対処しきれず、ズボンを汚すようになり、2023年初めに臀部皮膚に炎症を生じたことでかかりつけ医受診（糖尿病の治療）の際に、診察領域外であったものの症状を相談。急遽皮膚の抗生剤を処方してもらい、臀部皮膚炎症を治療。
その後、排尿後の臭いがきつくなったことで現在の通院治療先医療機関の紹介状を書いてもらい、4月に初診を受ける。そこで、前立腺の状態を確認するため、まず採尿と血液検査を行いPSAの値を確認する。その際、亀頭および陰嚢、鼠径部に真菌性の尿失禁皮膚炎を起こしていることが判明し、処方薬（軟膏）で治療を開始。
PSAの値は40以上と非常に悪く、肥大症がかなり悪化していることが判明したため、後日画像検査を行うこととなる。また尿の中に複数の薬剤耐性菌が確認されたため抗生剤の投与（点滴）を開始。
画像検査の結果、前立腺が握り拳大にまで肥大化しており、尿道が非常に狭くなっていたためグリーンレーザーを用いての治療をすることとなる。
6月初め、内視鏡検査及び触診が行われそこで主治医から「前立腺の状態が悪い。半分が固くなっている」と告げられる。その場で組織採取が行われ、生検結果を待つことになる。内視鏡による画像撮影も行われており、その画像には怪しい病変（腫瘍）が確認される。
2日後に再度通院し、そこで主治医から組織生検の結果が告げられ前立腺癌であることを告知される。父の年齢（当時82歳）、基礎疾患（糖尿）、脳卒中の後遺症（右片麻痺）を考慮してホルモン剤治療が始まる。
8月に前立腺肥大の治療と前立腺癌の組織検査が行われる。そこで前立腺癌の悪性度を示すグリソンスコアの判定がなされ、5+5「最悪」の判定がされる。
③転移と再燃までの経緯：2024年4月にホルモン剤治療により抑えられてきたPSAの値が上昇に転じ、「再燃（ホルモン剤が効かなくなった状態）」の疑いが出る。そこでCT検査が行われ右腸骨（骨盤）への骨転移（造骨性転移）が確認され、告知される。PSA値の上昇はこの骨転移によるものと判定され、骨転移に対する薬剤治療とその副作用（低カルシウム）へのカルシウム錠剤の処方が始まる。
6月に入り血液検査の結果でPSAの上昇が再度確認され、「再燃」が確実となり「虚勢抵抗性前立腺癌」と診断確定される。この時主治医からは「虚勢抵抗性前立腺癌は数段厄介」といわれる。
8月に入り虚勢抵抗性前立腺癌治療薬・イクスタンジの内服治療が始まる。その効果はすぐに表れ、PSAは著しく低下。
④現在の治療状況：1月の血液検査の結果、PSAの値が上昇を始めたことが判明しイクスタンジに対する薬剤耐性を獲得した疑いを指摘される。2月の血液検査の結果でも急激ではないものの、明確に上昇が認められ薬剤耐性を獲得したことが決定的となる。PSAの値の上昇がゆっくりであることから、抗炎症薬が追加されイクスタンジによる治療は継続中。
〇がん患者の家族として気が付いた、改めて知った大事なこと
①最善の治療を選択する「冷静な判断力」。
②病状を受け止める。
③基礎疾患のかかりつけ医や、ほかの疾患のかかりつけ医に癌の治療方針を話す。場合によっては紹介状を主治医からかかりつけ医充てに、かかりつけ医から主治医宛に書いてもらう
④病気のことを調べて、不明な点は主治医に必ず質問する。質問する際は質問の数を明言してから尋ねる。
④治療の選択（積極的な治療を継続するのか？それとも緩和ケアに移行するのか？等）は簡単なことではない。悩んで当たり前。相談できる人がいるなら必ず相談すること。父の場合、同居している母と県内別居（車で30分ほど）の兄に相談して決めました。
〇保険の営業として
最後に、保険の営業として治療費の軽減負担のために「治療給付型のがん保険」を推奨します。父の場合、ホルモン剤の処方による医療費負担は数千円だったのですが、イクスタンジによる内服治療となったら、医療費負担は倍以上の1万1000円ほどになってしまいました。
高額療養費制度で払い戻しがあるとはいえ、年金生活者によって月1万円以上の負担は重いです。治療給付型のがん保険であればそうした負担の軽減が可能です。
以上です。
↑成虫越冬を終えたルリタテハ♂（今月撮影）。
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〇現在の病状と治療に至るまでの経緯
まず、父の現在の病状と治療に至るまでの経緯です。
①前立腺癌の診断確定時期：2023年6月初め。
②診断確定までの経緯：2022年末に前立腺肥大の症状が悪化し、排尿がうまくいかずパット付き下着では尿失禁に対処しきれず、ズボンを汚すようになり、2023年初めに臀部皮膚に炎症を生じたことでかかりつけ医受診（糖尿病の治療）の際に、診察領域外であったものの症状を相談。急遽皮膚の抗生剤を処方してもらい、臀部皮膚炎症を治療。
その後、排尿後の臭いがきつくなったことで現在の通院治療先医療機関の紹介状を書いてもらい、4月に初診を受ける。そこで、前立腺の状態を確認するため、まず採尿と血液検査を行いPSAの値を確認する。その際、亀頭および陰嚢、鼠径部に真菌性の尿失禁皮膚炎を起こしていることが判明し、処方薬（軟膏）で治療を開始。
PSAの値は40以上と非常に悪く、肥大症がかなり悪化していることが判明したため、後日画像検査を行うこととなる。また尿の中に複数の薬剤耐性菌が確認されたため抗生剤の投与（点滴）を開始。
画像検査の結果、前立腺が握り拳大にまで肥大化しており、尿道が非常に狭くなっていたためグリーンレーザーを用いての治療をすることとなる。
6月初め、内視鏡検査及び触診が行われそこで主治医から「前立腺の状態が悪い。半分が固くなっている」と告げられる。その場で組織採取が行われ、生検結果を待つことになる。内視鏡による画像撮影も行われており、その画像には怪しい病変（腫瘍）が確認される。
2日後に再度通院し、そこで主治医から組織生検の結果が告げられ前立腺癌であることを告知される。父の年齢（当時82歳）、基礎疾患（糖尿）、脳卒中の後遺症（右片麻痺）を考慮してホルモン剤治療が始まる。
8月に前立腺肥大の治療と前立腺癌の組織検査が行われる。そこで前立腺癌の悪性度を示すグリソンスコアの判定がなされ、5+5「最悪」の判定がされる。
③転移と再燃までの経緯：2024年4月にホルモン剤治療により抑えられてきたPSAの値が上昇に転じ、「再燃（ホルモン剤が効かなくなった状態）」の疑いが出る。そこでCT検査が行われ右腸骨（骨盤）への骨転移（造骨性転移）が確認され、告知される。PSA値の上昇はこの骨転移によるものと判定され、骨転移に対する薬剤治療とその副作用（低カルシウム）へのカルシウム錠剤の処方が始まる。
6月に入り血液検査の結果でPSAの上昇が再度確認され、「再燃」が確実となり「虚勢抵抗性前立腺癌」と診断確定される。この時主治医からは「虚勢抵抗性前立腺癌は数段厄介」といわれる。
8月に入り虚勢抵抗性前立腺癌治療薬・イクスタンジの内服治療が始まる。その効果はすぐに表れ、PSAは著しく低下。
④現在の治療状況：1月の血液検査の結果、PSAの値が上昇を始めたことが判明しイクスタンジに対する薬剤耐性を獲得した疑いを指摘される。2月の血液検査の結果でも急激ではないものの、明確に上昇が認められ薬剤耐性を獲得したことが決定的となる。PSAの値の上昇がゆっくりであることから、抗炎症薬が追加されイクスタンジによる治療は継続中。
〇がん患者の家族として気が付いた、改めて知った大事なこと
①最善の治療を選択する「冷静な判断力」。
②病状を受け止める。
③基礎疾患のかかりつけ医や、ほかの疾患のかかりつけ医に癌の治療方針を話す。場合によっては紹介状を主治医からかかりつけ医充てに、かかりつけ医から主治医宛に書いてもらう
④病気のことを調べて、不明な点は主治医に必ず質問する。質問する際は質問の数を明言してから尋ねる。
④治療の選択（積極的な治療を継続するのか？それとも緩和ケアに移行するのか？等）は簡単なことではない。悩んで当たり前。相談できる人がいるなら必ず相談すること。父の場合、同居している母と県内別居（車で30分ほど）の兄に相談して決めました。
〇保険の営業として
最後に、保険の営業として治療費の軽減負担のために「治療給付型のがん保険」を推奨します。父の場合、ホルモン剤の処方による医療費負担は数千円だったのですが、イクスタンジによる内服治療となったら、医療費負担は倍以上の1万1000円ほどになってしまいました。
高額療養費制度で払い戻しがあるとはいえ、年金生活者によって月1万円以上の負担は重いです。治療給付型のがん保険であればそうした負担の軽減が可能です。
以上です。
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