医療保険の入院一時金特約、モラルリスク混入対策が急務-申込金額制限、約款改定などモラルリスク契約排除の動き。

弊社が取り扱っている生命保険のうちの1社から、医療保険に付加されている入院一時金特約において、支払いが悪化しており、モラルリスク混入対策が急務となっている旨の通知がありました。

通知を要約すると

「〇入院一時金特約の支払いが悪化しており、他社においても、金額制限、約款改定などモラルリスク契約排除の動きが出てきている。また、新聞記事でもこの問題が報道され始めている。

〇当社においても、他社と合わせての複数の契約に加入している契約、および一時金20万円の契約の支払いが悪化しており、明らかなモラルリスク契約も存在している。

〇モラルリスク対策として、入院一時金特約について、2025年1月より、他社通算引受上限金額の引き下げを行う。また、2025年3月より、最高給付金額の引き下げを行う。」


とのことでした。

入院一時金特約は「病気やケガで入院した場合、日帰り入院からでもまとまった金額(5万円など)を受けることができる」特約で、入院日数の短期化に伴い生命保険各社が医療保険に付加できる特約に相次いで加えました。

入院給付金の支払いが入院日数に応じたものだけ保障に比べ、短期間での入院で済んだ場合の医療費自己負担をさらに抑えられることがメリットです。

しかし、管理人の把握する限り、新型コロナウイルス感染症に伴う「みなし入院の特別措置」が実施されて以降、入院一時金特約を巡るモラルリスク*やその疑いが強い事案を目にするようになりました。


*モラルリスクとは生命保険制度の悪用です。例えば、加入前に自覚症状があったにもかかわらず、それを告知せずに加入し、保障開始後間もなく給付金を請求することです。

中には、保険ショップや乗合募集代理店で短期間のうちに複数の保険会社の医療保険に集中加入して、入院一時金の受け取り合計額が数十万円から百万円超となっていたことで、保険会社が「重大事由による契約解除」とし、それを不服として裁定申立てとなった事案もあります。

生命保険募集時には取扱者報告書で「他社生保の加入状況」を聞き取り、その内容(死亡保険金額、入院給付金日額等)を記載することになっています。

その他に、募集人から募集関連行為(商品概要の提示など)を受けていないにもかかわらず、商品を名指しで自発的に申し込みをしようとする人には極めて慎重に対応し、断ることもするなど生命保険制度の悪用の防止に努めています(これを「一次選択」と言います)。

仮に他社契約の有無を正直に答えずに一次選択をすり抜けても、契約内容照会制度や支払査定時照会制度で支払い・引受・契約解除及び無効の判断の参考とするので、モラルリスクは発覚します。

DSC07372.JPG
↑裏庭のアラカシで日向ぼっこに飛び出してきたムラサキシジミ♀(昨年12月撮影)。

↓1月7日23:30現在で6位…下がってしまいました。皆様のワンクリックをお願いします。
人気ブログランキング
人気ブログランキング

↓1月7日23:00現在で圏外…大きく下がってしまいました。皆様のワンクリックをお願いします。
にほんブログ村 その他生活ブログ 保険へ
にほんブログ村

この記事へのコメント