手術給付金の支払いを巡る裁定事案。

生命保険協会が取りまとめた。令和5年4~6月の裁定概要集(PDF)に、手術給付金の支払いを巡る裁定事案がありました。

事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。

<事案の概要>
 募集人の説明不足を理由に、手術給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和4年4月に内視鏡的大腸粘膜切除術(手術①)を受け、その後、同年5月に内視鏡的大腸粘膜切除術(手術②)を受けたため、平成15年2月に契約した終身保険の医療特約にもとづき、手術給付金を請求したところ、手術①については支払われ、手術②については、ファイバースコープ等による手術は60日間に1回の給付を限度としていることを理由に支払われなかった。しかし、募集人の助言があれば60日以内には手術②を行わなかったことから、手術給付金を支払ってほしい。

この事案は和解が成立しています。

保険金や給付金は請求内容を約款と照らし合わせて、支払うべきものは速やかに支払います。今回のケースでは約款の定義上、2回目の内視鏡的大腸粘膜切除術に対して給付金を支払うことはできないので、保険会社の判断は妥当なものです。

保険金や給付金の請求に関する対応は慎重にしなくてはなりません。管理人の場合は支払可否について断言せず、支払事由発生のご連絡を頂いたら、速やかにカスタマーセンターへ請求するよう、お客様に申し上げています。

【裁定事案の内容】

以下、裁定事案の内容です(令和5年4~6月裁定概要集P25より転載)。

[事案2022-156]手術給付金支払請求
・令和5年5月25日 和解成立

<事案の概要>
 募集人の説明不足を理由に、手術給付金が支払われなかったことを不服として、給付金の支払いを求めて申立てのあったもの。

<申立人の主張>
 令和4年4月に内視鏡的大腸粘膜切除術(手術①)を受け、その後、同年5月に内視鏡的大腸粘膜切除術(手術②)を受けたため、平成15年2月に契約した終身保険の医療特約にもとづき、手術給付金を請求したところ、手術①については支払われ、手術②については、ファイバースコープ等による手術は60日間に1回の給付を限度としていることを理由に支払われなかった。しかし、募集人の助言があれば60日以内には手術②を行わなかったことから、手術給付金を支払ってほしい。

<保険会社の主張>
 以下等の理由により、申立人の請求に応じることはできない。

(1)手術をいつ行うのかということは、患者の病状に即して判断することであり、医療特約の規定によって手術の時期が左右されるのは本末転倒である。

(2)募集人が、60日の間に1回の給付しか行わないとの説明を行うことにより、手術の機会を遅らせ、生命に危険を及ぼすことも考えられることからすれば、募集人には手術日程に関する助言義務はない。

<裁定の概要>
1.裁定手続
 裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、手術に関する申立人と募集人のやり取り等と和解を相当とする事情の有無を確認するため、申立人および募集人に対して事情聴取を行った。

2.裁定結果
 上記手続きの結果、募集人の説明不足は認められないものの、以下の理由により、本件は和解による解決を図るのが相当であると判断し、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意が得られたので、手続を終了した。

(1)事情聴取によると、当時募集人は、手術②の手術給付金は問題なく支払われるものと思っていたなどと供述しており、申立人と募集人とのLINEのやり取りでも、手術②の手術給付金が問題なく支払われるということを前提とした会話が行われている。

(2)申立人は、手術1の給付金請求書について、手術②を行った後にまとめて提出した方が良いか募集人に問い合わせていたため、募集人は、手術②の給付金請求が近くになされる可能性が高いことが分かっていた。そうすると、募集人は、手術給付金の支払事由を確認すべきであったといえ、また、少なくとも、給付金は請求に応じて審査されるものであるため、必ず支払われるものではないことを伝えるべきであった。

(3)手術後、募集人は、申立人に手術②の内容を確認することなく、給付金が支払われると誤った回答をしている。


以上です。

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↑春の夕日を浴びるシオヤトンボ♀(4月撮影)。

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