米ドル建て養老保険の新契約を巡る裁定事案。
生命保険協会が取りまとめた、令和4年10~12月の裁定概要集(PDF)に、米ドル建て養老保険の新契約を巡る裁定事案がありました。
裁定概要集によると、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。
<事案の概要>
募集人の誤説明等を理由に、契約の無効を求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和2年7月に契約した米ドル建て養老保険について、以下等の理由により、契約を無効として、既払込保険料を返還してほしい。
(1)募集人から、「3年で払済にすれば100%返金が保障されており、子の学費に充てることができる」と言われ、それを信じて契約したが、実際の契約内容は違っていた。
(2)自分が障害者手帳2級の告知をしていないのは、募集人の不告知教唆によるものである。
…この事案は和解が成立しています。
<裁定の概要>によると、募集人が申立人の職業・収入・保有資産について、虚偽記載を行った疑いが強いことなどが指摘されています。募集人はこの申立人を食い物にしたと言えるでしょう。
【裁定事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和4年10~12月裁定概要集・P11~12より転載)。
[事案2022-10]新契約無効請求
・令和4年11月15日 和解成立
<事案の概要>
募集人の誤説明等を理由に、契約の無効を求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和2年7月に契約した米ドル建て養老保険について、以下等の理由により、契約を無効として、既払込保険料を返還してほしい。
(1)募集人から、「3年で払済にすれば100%返金が保障されており、子の学費に充てることができる」と言われ、それを信じて契約したが、実際の契約内容は違っていた。
(2)自分が障害者手帳2級の告知をしていないのは、募集人の不告知教唆によるものである。
<保険会社の主張>
以下等の理由により、申立人の請求に応じることはできない。
(1)募集人は、申立人に対して、設計書を用いて解約返戻金額、払済保険金額について丁寧に説明した形跡が確認できる。
(2)募集人は、現在に至るまで、申立人が障害者手帳を持っていることを知らなかった。
<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、募集に関する経緯を確認するため、申立人に対して事情聴取を行った。
2.裁定結果
上記手続きの結果、募集人の誤説明は認められないものの、以下の理由により、和解により解決を図るのが相当であると判断し、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意を得られたので、手続を終了した。
(1)申立人は、事情聴取において、募集人から設計書等を用いた説明を受けたのは、申込手続当日のみであり、説明を受けた時間と申込手続を合わせて30分程度であったと述べた。面談による募集人の説明が同日のみであったことは、設計書の作成日、申立人と募集人間のLINEの内容等から、事実であると考えられるところ、1回の30分程度の面談で、申立人が十分理解できる程度の説明がなされたか疑問が残る。申立人が申込当時、障害等級2級の保健福祉手帳を保有していたとするとなおさらである。
(2)申立人は無職で、死亡した配偶者の生命保険金3000万円を所持しているだけであるが、募集人は、申立人が所持する3000万円の預貯金のうち2000万円を保険料に充てることで10年間保険料を支払えること、その後の収入次第で60歳まで保険料を支払える可能性があること、保険料の支払総額が約5000万円であることを説明し、申立人はそれに同意したと主張している。しかしながら、本契約は、10年以内に解約した場合の解約返戻金が払込保険料累計額を下回るうえ、リスク性の高い商品であり、この説明自体、申立人にとって適合性に反することを強く裏付ける。
(3)告知書では、申立人の「勤務先」として「自営業」、「業種」として「卸・小売業」、「具体的な仕事内容」として「ネット販売」として印字されているが、申立人は無職であり、事実に反している。また、「お申込みに際してのご確認事項」の「保有している資産の合計額」欄には「5000万~1億円未満」の箇所にチェックが付けられているが、実際は3000万円であり、事実に反している。申立人の事情聴取を踏まえると、このような記載は募集人によってなされた疑いが強いといわざるを得ない。
以上です。
↑2月に撮影した福寿草。
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裁定概要集によると、事案の概要と申立人の主張は以下の通りです。
<事案の概要>
募集人の誤説明等を理由に、契約の無効を求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和2年7月に契約した米ドル建て養老保険について、以下等の理由により、契約を無効として、既払込保険料を返還してほしい。
(1)募集人から、「3年で払済にすれば100%返金が保障されており、子の学費に充てることができる」と言われ、それを信じて契約したが、実際の契約内容は違っていた。
(2)自分が障害者手帳2級の告知をしていないのは、募集人の不告知教唆によるものである。
…この事案は和解が成立しています。
<裁定の概要>によると、募集人が申立人の職業・収入・保有資産について、虚偽記載を行った疑いが強いことなどが指摘されています。募集人はこの申立人を食い物にしたと言えるでしょう。
【裁定事案の内容】
以下、裁定事案の内容です(令和4年10~12月裁定概要集・P11~12より転載)。
[事案2022-10]新契約無効請求
・令和4年11月15日 和解成立
<事案の概要>
募集人の誤説明等を理由に、契約の無効を求めて申立てのあったもの。
<申立人の主張>
令和2年7月に契約した米ドル建て養老保険について、以下等の理由により、契約を無効として、既払込保険料を返還してほしい。
(1)募集人から、「3年で払済にすれば100%返金が保障されており、子の学費に充てることができる」と言われ、それを信じて契約したが、実際の契約内容は違っていた。
(2)自分が障害者手帳2級の告知をしていないのは、募集人の不告知教唆によるものである。
<保険会社の主張>
以下等の理由により、申立人の請求に応じることはできない。
(1)募集人は、申立人に対して、設計書を用いて解約返戻金額、払済保険金額について丁寧に説明した形跡が確認できる。
(2)募集人は、現在に至るまで、申立人が障害者手帳を持っていることを知らなかった。
<裁定の概要>
1.裁定手続
裁定審査会は、当事者から提出された書面にもとづく審理の他、募集に関する経緯を確認するため、申立人に対して事情聴取を行った。
2.裁定結果
上記手続きの結果、募集人の誤説明は認められないものの、以下の理由により、和解により解決を図るのが相当であると判断し、和解案を当事者双方に提示し、その受諾を勧告したところ、同意を得られたので、手続を終了した。
(1)申立人は、事情聴取において、募集人から設計書等を用いた説明を受けたのは、申込手続当日のみであり、説明を受けた時間と申込手続を合わせて30分程度であったと述べた。面談による募集人の説明が同日のみであったことは、設計書の作成日、申立人と募集人間のLINEの内容等から、事実であると考えられるところ、1回の30分程度の面談で、申立人が十分理解できる程度の説明がなされたか疑問が残る。申立人が申込当時、障害等級2級の保健福祉手帳を保有していたとするとなおさらである。
(2)申立人は無職で、死亡した配偶者の生命保険金3000万円を所持しているだけであるが、募集人は、申立人が所持する3000万円の預貯金のうち2000万円を保険料に充てることで10年間保険料を支払えること、その後の収入次第で60歳まで保険料を支払える可能性があること、保険料の支払総額が約5000万円であることを説明し、申立人はそれに同意したと主張している。しかしながら、本契約は、10年以内に解約した場合の解約返戻金が払込保険料累計額を下回るうえ、リスク性の高い商品であり、この説明自体、申立人にとって適合性に反することを強く裏付ける。
(3)告知書では、申立人の「勤務先」として「自営業」、「業種」として「卸・小売業」、「具体的な仕事内容」として「ネット販売」として印字されているが、申立人は無職であり、事実に反している。また、「お申込みに際してのご確認事項」の「保有している資産の合計額」欄には「5000万~1億円未満」の箇所にチェックが付けられているが、実際は3000万円であり、事実に反している。申立人の事情聴取を踏まえると、このような記載は募集人によってなされた疑いが強いといわざるを得ない。
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